新型水車の実証試験始まる 県・早大など3者共同開発

佐藤仁彦
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 秋田市のベンチャー企業「東北小水力発電」と早稲田大学秋田県の3者が共同開発する新型水車が、県営の鎧畑(よろいばた)発電所(仙北市)に設置され、先月から水力発電の実証試験を始めた。水の流量が少なくても効率よく発電できるのが特徴で、国内外への販売を目指す。

 新型水車の実験は、有効落差54・4メートルの放流水を利用し、1年間行う。最大出力は49キロワットで、年間発電量は一般家庭約40世帯分にあたるという。県は再生可能エネルギー地産地消が広がることなどを期待し、開発に参加した。

 設計では、国内で広く使われている「フランシス水車」を参考にしつつ、水車に流れ込んだ水を無駄なく受け止められるよう羽根の形を変更。水車を回した後の水を排出する管の形も、スムーズに水が流れ出るよう渦巻き状にした。

 流体機械を専門とする宮川和芳・早稲田大理工学術院教授が技術面で協力。高速コンピューターによる流体解析を繰り返し、水が流れ込む量や強さが変わっても、水車内での水の流動が不安定になりにくくなるような改良を実現した。

 これによって、一般的な小容量水車は水の流量変化幅が30~105%の範囲を外れると運転できなかったが、新型水車なら15~110%のより広い範囲で運転できるように。従来は採算が合わなかった場所でも、水力発電を導入できる可能性が広がるという。

 3者は2017年度から新型水車の開発を開始。今年度までの4年間にかかった事業費は約2億7500万円(うち県負担分は約2億3600万円)。資源エネルギー庁のモデル事業に採択され、新エネルギー財団(東京)から経費の3分の2について、補助金を受けられるという。

 東北小水力発電の和久礼次郎社長は9日、県庁で記者会見し「低コスト、高効率の発電システムを国内外に売り込み、小水力発電で秋田から日本を元気にしたい」と話した。佐藤仁彦