AI使って自動駐車 苦手なドライバーに朗報?実験開始
高級ホテルなどの係員が鍵を預かり、代わりに駐車してくれる「バレーパーキング」。人工知能(AI)による自動運転技術を取り入れ、無人の駐車システムに進化させる動きが広がっている。京都府内では1日、一般車が混在する環境下で、全国初の実証実験が行われた。事故や駐車場探しによる渋滞の減少につながる、と期待されている。
「自動バレーパーキング」と呼ばれるシステムの実証実験。カーナビの開発などをしているゼロ・サム(京都市下京区)と、駐車場システムなどを手がける日本信号(東京都千代田区)が、木津川市と精華町にまたがる「けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)」で実施した。
実験用の駐車場内に設置したAIカメラで一般車の接近や異常を検知し、無線通信で自動運転車を停止させたり、進路を変えたりした。2台の自動運転車を同時に誘導し、駐車する実験も行った。
将来的には、運転手が目的施設の近くで車を止め、スマートフォンなどで操作をすれば、自動運転で移動して駐車。運転手が呼び出せば出庫し、迎えに来てくれるシステムをめざす。駐車場の経営改善や、自動運転車の付加価値向上などの効果も見込んでいる。
ゼロ・サムの菊池力社長は「私自身、車の駐車は苦手。最先端の技術で駐車場の利用が安全になり、顧客の満足度も向上する。京都からそんなパーキングシステムを広げていきたい」と意気込む。日本信号の藤原健専務も「人口が減り、少子高齢化が進む中で自動運転、駐車システムは近い将来、なくてはならないものになると確信している」と力を込めた。(甲斐俊作)
高速バス大手の「WILLER」(ウィラー、大阪市)などは13~19日、京都府精華町の公道で自動運転バスの実証実験をする。
自動運転バス1台が、精華台1~5丁目の住宅地やけいはんな記念公園をまわる約4・8キロのコースを走行する。前方3メートル以内に障害物を検知した場合、自動的に止まる。高齢者や在宅勤務者向けのフィットネスプログラムを用意し、運行コストや利便性、事業性などを検証するという。