山形唯一の飛び込みプール存続へ 米沢市、廃止から一転

石井力
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 山形県米沢市は9日、市営プール内にある県内唯一の飛び込み競技用プールを存続させる方針を示した。市は昨年9月に廃止の方針を打ち出していたが、地元の競技団体や県水泳連盟などの存続を求める要望を受け、必要な改修費にめどが立ったとして方針を覆した。

 1992年の「べにばな国体」に合わせて設置されたプールは、建設から30年以上が経過し、大規模改修が必要だという。2019年夏の利用者は約400人で、水道料など年約400万円の維持費がかかる。

 市内には、全国大会での入賞者を輩出してきた「米沢ダイビングクラブ」があり、所属する小学生から高校生まで9人が、このプールで練習している。市の廃止方針を受け、同クラブの保護者会などが存続を求める署名活動を開始。飛び込み競技の選手らを含む計1万5296人分の署名が全国から集まった。

 今月4日には、米沢水泳連盟の高橋大二郎会長や保護者会の小関紀子代表らが市に要望書と署名簿を提出。高橋会長は「子どもたちが不安に思いながら練習している」などとして、存続を求めていた。

 市は9日の市議会総務文教常任委員会協議会で方針の変更を報告。5億円近くかかる市営プール全体の濾過(ろか)器や配管の更新など改修工事費について、国や県の交付金を活用し、市の負担分を約2億2千万円に減らせる見通しとなったことを説明した。工事は26年ごろの予定だという。

 また、議員からは関係者との事前協議が不足していたとの指摘が相次ぎ、市の担当者は「関係者に相談する前に方針を示し、迷惑をかけた。今後は合意形成を図りながら進めていく」と答えた。

 同クラブの藤原浩代表は「ほっとした。スポーツを通して教育をする環境を残せてもらえた。今後は利用者を増やすため、市と連携して体験会などをもっと開いていきたい」と話した。(石井力)