群馬の16歳の油絵、若手画家の登竜門で大賞に

野口拓朗
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 日本画家の名を冠し、若手の登竜門とされる「佐藤太清(たいせい)賞公募美術展」で大賞の「佐藤太清賞」に群馬県高崎市の高崎経済大学付属高校美術系1年の木村銀凜(こりん)さん(16)の油絵「終劇(しゅうげき)」が輝いた。木村さんは「過去の大賞は素敵な作品ばかり。並ぶことができてとても光栄」と喜んでいる。

 佐藤太清(1913~2004)は京都府福知山市出身。花鳥風景画を確立し、1992年に文化勲章を受章。美術展は2001年、同市と佐藤が「21世紀の芸術文化を担う人材を育成しよう」と創設した。

 20回目の今回は、25都道府県の高校生や大学生ら140人が2部門に応募。木村さんは、絵画の部で94点の中から他の2人とともに最高賞に選ばれた。

 「終劇」は、雨具を着て歩く3人の女生徒の姿を描き、最後の1人は鋭いまなざしで正面をにらんでいる。「若者が志や夢に向かって突き進む姿。大人の圧力や友人関係の悩みなどいろんな感情を味わう。にらみつけは、理不尽なことに反抗する気持ちを表現した」と木村さん。

 夏休みから約4カ月、自宅で絵筆をとった。審査員からは「他に類を見ない時代を切り取った新鮮な作品」と高く評価された。

 木村さんは「平面よりは立体のほうが楽しい」と話し、将来は彫刻に挑み、芸術系大学を目指すという。

 指導する竹谷賢次教諭(55)は「木村さんはセンスに優れた万能型。作品は暗い印象だが、先頭の生徒の辺りには薄明かりが描かれて希望を示しており、深みがある」と話した。絵を見た人からは「コロナ禍の絶望感を感じる」との声も聞かれたという。

 同校からは木村さんのほかにも今回、4人が入選した。過去には14年の男子2年生、16年の女子3年生が大賞に輝いた。(野口拓朗)