所有者不明土地めぐり答申 相続登記義務化、違反に過料

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伊藤和也
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 所有者が不明の土地を増やさないための法整備を検討してきた法制審議会は10日、相続や住所変更時の登記を義務づけ、違反すれば過料の対象となることなどを内容とする法改正を上川陽子法相に答申した。所有者の申請により所有権を国庫に帰属させる制度の新設も盛り込んだ。答申をもとに法務省は民法や不動産登記法の改正案をまとめ、今国会での成立を目指す。

 土地一筆ごとの所有者などを調べる地籍調査では所有者が不明の土地は全国の約2割に上り、高齢化の進展に伴って今後増えることが見込まれる。所有者がわからないと取引できず、再開発や公共事業の支障となっており、法制審の部会が2019年3月から議論していた。

 答申では、土地を所有者から取得した相続人に、取得を知った日から3年以内の相続登記の申請を義務づけ、違反への罰則として行政罰である10万円以下の過料を定める。罰則の適用は、取得が明らかなのに申請を怠るなど悪質なケースを想定しているという。所有者の請求に基づき、所有する土地を一覧にした証明書を交付する制度も始める。把握に役立ててもらい、登記漏れを防ぐためといい、法務省の担当者は「所有者が遺言を残すなどして当事者間でしっかり管理してほしい」とする。

 望まない相続も相次ぐことから、答申では、相続人が取得した土地を手放せる制度を創設する。建物や土壌汚染がなく、担保が設定されていないなどの要件を満たし、10年分の管理費相当額を納付すれば、所有権を国庫に帰属させて土地が放置されることを防ぐ。

 また、所有者の転居に伴う住…

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