クラゲのえさ代、募ったら723万円余「愛されている」

佐藤孝則
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 「クラゲの水族館」として知られる山形県鶴岡市立加茂水族館が、館内で飼育、展示しているクラゲのえさ代をインターネット上のクラウドファンディング(CF)で募ったところ、期限まで10日ほどを残して目標額を大きく上回る寄付が集まった。「こんなに愛されているんだと改めて感じた。期待や責任の中で、もっといい展示に向けて努力したい」と奥泉和也館長(56)は感謝している。

 先月21日から1カ月間の予定で始めたCFは、目標額500万円。2週間余りで目標額を達成。今月10日正午時点で、約700人から目標の1・5倍近い723万円余りが集まった。

 60種類以上のクラゲを展示する同館。直径5メートルの大型水槽で1万匹のミズクラゲが漂う「クラゲドリームシアター」などが人気だ。特に春から秋は、家族連れやカップルらでにぎわう。

 ところが、昨年春以降はコロナ禍で一変。市内での感染者の確認や政府の緊急事態宣言を受けた臨時休館などが影響し、年間50万人前後だった来館者は、今年度は約21万人(今年1月末時点)と半数以下に落ち込んでいるという。

 収入が減る一方、クラゲのえさ代は年間400万円以上、変わらずにかかるという。同館は、文化庁が始めたえさ代などの支援を募る事業「えさおやプロジェクト」に参加。CFで支援を求め、ベトナム産の動物プランクトン「アルテミア」の購入費に充てることにした。

 様々なえさを試し、成長の様子などを観察してきたという同館。ベトナム産のアルテミアは「水質も維持し、クラゲの成長に最適」だという。卵を仕入れて、館内で孵化(ふか)させた幼生を与えている。

 CFの受け付けは20日まで。3千円以上を寄付した人には、金額に応じてお礼のメッセージ動画や入館チケット、オリジナルのクラゲグッズ、年間パスポートなどの返礼品もある。

 同館は目標を上回った額もえさ代に回す方針。奥泉館長は「さらに安定的な(えさの)確保につなげて、来館者を楽しませたい。クラゲたちに十分に食べてもらい、数を増やしたり、大きく成長させたりできるかどうかトライしてみたい」と話している。

 「えさおやプロジェクト」には同館のほか、関東や九州の動物園なども参加。長崎バイオパーク長崎県西海市)は「キリンの尻尾の毛」や「ヤマアラシの針」などユニークな返礼品を用意し、開始数日で目標額の900万円が集まったという。

 加茂水族館のCFサイトは、https://camp-fire.jp/projects/view/365018別ウインドウで開きます(佐藤孝則)