クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーでは、10日も各地で抗議デモが起きた。大規模なデモは5日連続で、治安維持にあたる警察官も一部地域でデモに加わり始めた。国軍は最大都市ヤンゴンなどに軍車両を配備するなど、締め付けをさらに強める構えだ。
警察によるゴム弾などの発射や放水で9日に負傷者が出たことへの反発から、10日のデモ参加者はさらに増え、地元メディアによると数十万人に達している。東部カヤーでは、複数の警察官がデモに加わった。
警察官約40人が「我々は市民の警察官だ」との横断幕を掲げ、制服姿で行進する映像がSNSで広がっている。独裁への抵抗を示す3本指を立てるポーズを取り、警察官の一人が「我々は軍の独裁を望まない」と演説すると、市民から歓声が上がった。
9日以降、市民側につく警察官の姿が各地で目撃され、SNSなどで拡散。中部マグウェーでは9日、警察がデモ隊に放水していた最中に、3人の警察官が隊列を離れて放水車の前に立ちふさがり、持っていた盾で市民を守った。首都ネピドーでも警察官ひとりがデモに加わり、市民の前で発言した。
国軍に反発する市民らはデモを続ける構えだ。10日、ヤンゴンでのデモに参加した教員のテンターソウさん(35)は朝日新聞助手の取材に「いま黙っていたら一生、軍のブーツの下で生きることになる。抗議デモを続ける」と話した。
国軍側は集会禁止令を根拠に…