銀座で30万円 「珍」干物 そのお味は? 富山

大坪実佳子
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 東京・銀座の回転ずし店のレジ横で、珍しい深海魚の干物が客の目を引いている。細長いミイラのようで長さは約2メートル。なんと30万円の値札も付いている。何の魚? 味は? そして買い手は現れるのか――。

 ホタルイカやシロエビなど、富山湾の海の幸が目玉の「廻転とやま鮨 銀座」。干物も富山湾の定置網にかかったリュウグウノツカイだ。水深200メートルより深い所にすむが、詳しい生態は分かっていない。

 店の運営会社の社長が一昨年、富山県内の観光施設で干物を見て、店の名物にしようと購入した。宅配業者に頼み込み、折れないよう魚の形に発泡スチロールを添えて運んでもらった。

驚く客から「おいしいの?」と聞かれるが、店員らは誰も食べたことがない。店側は「買ったら感想を聞かせて下さい」と客に答えるが、本音は「店の看板みたいになっているので、売れたら寂しいし困る」。

 干物を作ったのは、富山県射水市の浜常食品工業。浜隆行専務(47)によると、鮮魚店から4匹譲り受け、「食べてみたい一心で」干物にした。

 ゼラチン質の身は水分が多く乾きにくい。半身にして乾燥機に10日ほど入れ、食品研究所で安全性を確認してあぶって食べた。だが、「パサパサでおいしくなかった」と苦笑い。珍しいため、別の業者を通じて売りに出した。

 同社は6年前にダイオウイカのスルメも作ったが、やはり「しょっぱくて、おいしくなかった」。倉庫には180センチの「ダイオウイカのとっくり」もある。浜さんは「エチゼンクラゲなど食べてみたい物がまだある。入手したら干物にしたい」と遊び心たっぷりだ。(大坪実佳子)