[PR]

 【静岡】県は10日、1兆3094億円の新年度一般会計当初予算案を発表した。前年度当初比302億円(2・4%)増で、川勝平太知事のもとでは最大。新型コロナで税収が減る中、感染症対策や経済対策を打ち出したため、国からの支出や借金にも多くを依存する予算になった。

 川勝知事は10日の会見で、「ポスト東京時代を開く予算」と銘打った。感染対策や災害対策、山梨県などとの地域経済政策である「フジノミクス」を重視したといい、「帰去来(かえりなん) いざ!故郷ふじのくにへ」とのスローガンを掲げた。

 歳入では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、県税収入が前年度比400億円減少し、4470億円となった。

 その分、国に使い道が定められた国庫支出金や今後国が返す地方債である臨時財政対策債などで補った。国庫支出金は同293億円増の1677億円。臨時財政対策債は同518億円増の1138億円で8割の増加だった。これを含め県債残高は来年度末で今年度末の見込みから501億円増の約2兆9155億円となる見通しだ。

 蓄えも取り崩した。県の貯金である財政調整用基金はここ10年は150億~370億円の水準を維持してきたが、今年は53億円まで減る見通しとなった。予算作成にとりかかった昨年10月時点では、150億円を残す計画だったという。

 歳出面では、新型コロナ関連費用で537億円など感染症対策費と経済対策費を計上した。

 支出削減にも取り組んだ。県が様々な事業に対して行っている補助金の割合を変更し12億円を捻出したほか、イベントを取りやめて出張をオンライン化することなどで計59億円を浮かせた。

 ただ、大規模な事業見直しには踏み込めなかった。不採算が続くふじさん駿河湾フェリーは静岡市や西伊豆町など影響を受ける市町が一部費用負担をするため、継続して推進することになった。県立図書館の新設で設計費用などを計上。浜松市に建設を予定している新球場についても調査費を盛り込んだ。

 県は新年度の一般会計予算案について、特別会計7987億円、企業会計809億円と合わせ総額2兆1891億円(前年度比0・4%増)を県議会2月定例会に提出する。2月議会ではまた、緊急のコロナ対応など一般会計の補正予算214億円を今年度予算に組み込むための審議も行う。(宮川純一)

     ◇

 県は新型コロナウイルス対策費として、新年度当初で537億円、今年度の補正予算で199億円の予算案を計上した。計737億円で医療や福祉分野で働く人たちを支援し、県民の不安を払拭(ふっしょく)する。

 主な新規事業としては、保育施設の職員1人あたり5万円を払う慰労金などに15億5200万円を計上した。保育所や幼稚園など県内2145カ所の施設が対象。里親にも給付する。

 救急車の消毒装置に3680万円。清掃に時間がかかり、呼んでもなかなか向かえない状況が首都圏で発生している。感染状況が悪化しても速やかに動けるよう、県内15の消防本部の消防車130台に救急車にオゾン発生装置を配備する。

 市町によるワクチン接種を支援するため4300万円を計上。専門的な相談にも対応できるコールセンターをつくる。

 金額で目立ったのは、病床を確保するために医療機関に支払う「空床補償」で205億円。資金繰りが悪化している中小企業の利子を負担するためも170億円を支出する。

 これまで県は補正をくんで新型コロナ対策の予算を確保してきた。昨年の2月定例会では23億円、4月は264億円、5月は10億円、6月は834億円、9月には111億円、12月には4億円だった。今年の2月補正を合わせると計1258億円が使われることになる。

関連ニュース