はき口伸びーる靴下考案 父のリハビリから見えたヒント

堤恭太
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 【埼玉】簡単に靴下をはけたり、はかせたりできれば――そんな介護の現場の思いから生まれた靴下「歩(ほ)から」が人気だ。はき口が50センチにも伸びるのがその秘密。さいたま市浦和区岸町4丁目の靴下と生活雑貨の店「さきっちょ」の越野陽子さん(51)が考案した。靴下をはくのが大変な妊婦にも好評という。

 きっかけは脳梗塞(こうそく)で倒れた父のリハビリだった。自分で靴下をはきたいが、思うようにいかない。介護する側も大変だった。「靴下をはくのを人にやってもらうというのは、プライドが傷つくんですよね」と越野さん。

 ヘルパーの意見も採り入れて、片手でもはけるように、伸びる素材を使ってはき口を広げる工夫をした。縫製が丁寧な工場に発注し、伸びたままにならず、洗濯にも強い靴下にした。

 越野さんは以前、通販会社で働いていた。様々な商品を売っていたが、自分で納得した品物を売りたいとの思いが強くなり、会社を辞めて2011年から自分がこだわりを持っている靴下の通販を始めた。

 最初はシルクの5本指の靴下の販売を始めた。口コミで広がり、レビューも付くようになった。「歩から」は13年に売り出し、5本指タイプの「ごっ歩」も加えた。顧客が増えて17年に「さきっちょ」を開店。「靴下から生活を変えられることがある」。そんな思いが実り始めた。

 靴下の工夫は怠らない。今年に入り、「岩盤浴ソックス スパオール」を売り出した。「歩から」に温泉鉱石を使った塗料をプリント。その温熱効果が足冷えを和らげるとともに足の動きが良くなり転倒防止効果もあるという。健康器具開発販売会社「ナチュラルアビリティ」(東京都葛飾区)との共同開発。これも父の足が冷えているのをみて思いついた。

 越野さんは「札幌の病院にいて会うことができない父にも歩ける自分をあきらめないでリハビリを続けてほしい」と話している。

 「歩から」は1500円、「岩盤浴ソックス スパオール」は3500円。ともに税別。「さきっちょ」は金~日曜開店。月~水曜は予約制。問い合わせは同店(048・789・7640)。(堤恭太)