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 和歌山県新宮市は1月、新型コロナウイルス感染症に関する個人情報を流出させたとして市職員2人の処分を発表した。市は「個人が特定される」として職員がどんな行為をしたのか、明らかにしていない。市民からは「感染にかかわる情報がないと不安。公表すべきだ」と批判の声が上がっている。

 市は1月27日、個人情報を外部に誤って流出させたとして、いずれも男性で、保健センター長(60)とセンター長補佐(56)を戒告の懲戒処分にしたと発表した。処分は同日付で、理由は「職務上の義務違反と職務怠慢」にあたるとしている。

 しかし、市は「個人情報に関わる」としてセンター長らの具体的な行為や流出した情報の内容、流出先などを一切、明らかにしなかった。取材に対し、市幹部は「対象者の同意を得ていない」と答えた。

 処分の翌28日に田岡実千年市長らが記者会見し、謝罪した。記者から質問が繰り返されたが、市側は対象者が市民としたのみで、性別、人数、感染者か濃厚接触者なのか、などの基本情報も明らかにしなかった。

 記者からは「感染防止のために、人権に配慮したうえで公的情報を公開すべきだ」「公務を担う市長が何を謝っているのか、市民が分からないのは問題だ」と批判の声が相次いだ。

 田岡市長は「対象者から強い抗議が来たわけではない。狭いまちなので、対象者が絞られるおそれがある」と口を閉ざした。同様のケースが起こった場合の対応について「ケース・バイ・ケースだが、今後は納得できる説明に努めたい」と述べた。

 朝日新聞は処分に関わる公文書を市情報公開制度にもとづき請求、入手した。公文書は、記者発表以外の処分内容に関わる項目は、すべて黒塗りだった。

 感染症の予防などを定めた感染症法は、感染拡大を防ぐための情報は、個人情報の保護に留意したうえで、「積極的に公表しなければならない」と定めている。県は感染者が判明した日には、感染者が住む地域を担当する保健所名、性別、年代、職業、病状の経過などを発表している。

 和歌山市は1月22日、感染者…

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