政治家が値切った「40年」 廃炉、置き忘れられた議論

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小坪遊藤波優 古庄暢、福地慶太郎
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 寿命を全うした原発でも廃炉を終えるのに30~40年ほどかかるのに、世界最悪級の事故を起こした東京電力福島第一原発廃炉が、同様の期間で完了することになっているのはなぜか。そもそも、事故炉の廃炉はどういう状態になれば完了したと言えるのか。

 「30~40年」のルーツは、国と東電が2011年12月21日に公表した廃炉工程表にある。だが、工程表のベースとなった12月13日付の国の原子力委員会の報告書には、「廃止措置がすべて終了するまでは30年以上の期間を要する」とあるだけで、「40年」は出てこない。

 報告書をまとめた専門部会のメンバーの一人によると、「技術開発だけで50~60年はかかる」「建屋の解体は難しいのでは」といった意見も出ていたという。「地元が見ている中、目標を掲げざるを得なかったという感想だ」。目標を示すには検討不足の問題があると感じたが、「議論する雰囲気になかった」。

 原子力委員長だった近藤駿介…

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