第10回「命犠牲に開催すべきでない」 パラ金メダリストの思い

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構成・松本龍三郎

1年延期された東京パラリンピックの開幕まで半年。新型コロナウイルスの蔓延が続くなか、大会開催を危ぶむ声は絶えない。来るはずの本番に向けて鍛錬を重ねるパラアスリートに、今の思いを聞いた。

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《パラトーク》 陸上男子 伊藤智也(日本)

 昨年11月、多発性硬化症がかなり重度な再発を起こしました。症状が安定する寛解期が4年くらい続いたので久しぶりです。医師たちのおかげで早期に治療に入れましたが、左手には以前よりもさらに進んだ障害が残りました。

 脱力に加え、目視しないと手の位置を把握できなくなりました。競技用の車いすをこぐ時は、いちいち手元のグローブを見ません。

 だから今は、何回かに1回は持つ手が外れてしまいます。夏までにはなんとか修正できるように練習しています。本番では、メダルを争う素晴らしい戦いを見せる自信はあります。

 コロナをめぐる情勢は、極めて冷静に見ています。東京パラリンピックがなくなるかもしれないという覚悟もある。仮に大会がなくなって、次が2024年のパリになっても、「そうでしょうね」と言えるぐらいの余裕を持った気持ちで過ごしています。

 17年に現役復帰したのは東京に向けてというのもある。自国でやるパラリンピックへの思いは本当に強いです。ただこういう事態ですから、もう自分で決められることでもありません。世界情勢を鑑みるしかないのかなと、あきらめ半分、希望が半分、というところですね。

 私は会社勤めという形ですの…

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