「この桂馬は石ころと同じ」 朝日杯の大盤解説を中継
第14回朝日杯将棋オープン戦準決勝・決勝(朝日新聞社主催、東海東京証券、ローソン協賛、ABEMA特別協力)が11日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールで指されている。今年は無観客での開催となったが、現地では大盤解説会を実施。木村一基九段(47)と杉本昌隆八段(52)の解説がインターネットで中継され、ファンを楽しませている。
準決勝では渡辺明名人(36)と藤井聡太二冠(18)、三浦弘行九段(46)と西田拓也四段(29)が対戦。木村九段と杉本八段は別室で2局の進行を同時に見ながら、解説を行った。聞き手は鈴木環那女流三段(33)と山口恵梨子女流二段(29)が務めた。
「解説名人」として知られる木村九段は、対局者が考え込んで局面が動かなくなると「ここでどう時間をつなぐのかが、解説の腕の見せどころです」と語り、場を和ませた。三浦―西田戦に触れた際は、三浦九段の2九の地点の桂馬を指さしながら、「この桂馬はそこらへんの石ころと同じですから」とユーモアを交えて解説した。
解説会には対局を終えた棋士も登場した。逆転負けを喫した渡辺名人は、「△7四玉に▲7三金が妙手で詰みだそうです」と、対局中に気づかなかった藤井玉の詰み筋を自ら解説。藤井二冠は遠慮がちに「(中盤は)自信がありませんでした」と述べた。真剣勝負の最中とは違う棋士の表情が垣間見えた。
決勝の藤井―三浦戦の解説も中継されている。対局後は両者が出演する予定。解説会と棋譜は朝日新聞デジタル(https://www.asahi.com/shougi/)で中継している。(村瀬信也)