猛威振るう病、試した先端医療 2月14日は「記念日」

有料会員記事

岩田誠司
写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
[PR]

 コロナ禍で注目が集まるワクチン。抗原を体に入れて免疫を作るその仕組みは、牛の病気「牛痘(ぎゅうとう)」に由来する膿(うみ)を接種して天然痘を予防した英国医師ジェンナーが確立したとされる。だが、その6年前、江戸後期の日本で、同様の治療に成功し全国に広めた医師がいた。秋月(あきづき)藩(現在の福岡県朝倉市)の藩医・緒方春朔(しゅんさく)。かつて九州は予防医療の最先端を走っていた。

 春朔が初めて天然痘の種痘(しゅとう)(予防接種)をしたのは1790年2月14日。著書「種痘必順弁(しゅとうひつじゅんべん)」によると、地元の大庄屋の子2人に天然痘患者からとったかさぶたを植え付けた。7日目以降に相次いで発熱、痘形は出たが、やがて枯れた。大庄屋は大喜びして大宴会をしたという。

 天然痘は感染力が高く、頭痛や嘔吐(おうと)を伴い高熱を発し、水泡状のできものが顔や手足など体内外に広がる。致死率も高く世界中で猛威を振るい、一命を取り留めても痘痕(あばた)が顔などに残り、患者を苦しめた。

 九州での流行は古代から記録…

この記事は有料会員記事です。残り1680文字有料会員になると続きをお読みいただけます。