震災から10年、政治が加速させた「喪失」 青木理さん

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聞き手・市川速水
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共同通信記者だった青木理さんは、フリーに転じて5年後に東日本大震災に遭遇します。震災という「悲劇の土台」を生かせなかった政治に異議を申し立て続けています。

――大震災後の日本をひと言で「○○の10年」と名付けるとしたら?

 うーん、そうですね……。あえて言えば「喪失の10年」です。

――喪失、ですか?

 巨大災害は、誤解を恐れずに言うと多くの人に「悲劇の共有」をもたらします。それは本当につらいことですが、結果として社会や政治のあり方を露呈させ、人々に広く「共有」させるところもある。

 実際に東日本大震災は、現在の日本の矛盾や課題をあらわにしました。原発の安全神話にせよ、東京の電力を福島から送るという都市と地方の圧倒的な不均衡にせよ、人口減少と過疎にあえいでいた地域を持続可能な形でどう再生するかという点にせよ、課題は数えきれません。

 なのにこの10年、社会や政…

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