大学受験異例づくめ 二次試験中止で生徒困惑 栃木

新型コロナウイルス

平賀拓史
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 コロナ禍の中で突入した大学受験シーズン。感染防止対策だけではなく、受験校選びにもコロナ禍の影響が出ている。受験生を迎える大学、入試に臨む受験生、いずれにとっても異例ずくめの事態が続いている。

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 9日にあった白鷗大の一般選抜試験。370人が小山市のキャンパスで受験した。受験会場で使う講義室を例年の2倍に増やし、受験生同士の間隔をとった。試験中も換気のためドアは開放した。

 同キャンパスが会場に使われた共通テストでは約1千人が受験。矢島哲入試部長は「共通テストで得た感染対策のノウハウを生かした。トラブルなく終えることができた」。

 コロナ禍の影響は受験生の出身地にも現れた。1月に実施した早期選抜は計1千人以上が受験。東北5県や北関東など県外10カ所にも会場を設けたが、今年は例年より東北での受験者数が減り、群馬、茨城、埼玉は逆に増えた。

 矢島部長は「経済的事情や感染リスクから、実家から通える大学を選ぶ受験生が増えたのでは。地元志向が強いと感じる」と分析する。推薦入試の応募も増加したという。オープンキャンパスを中止し、学校回りの機会も減った。東北や都心の学校には資料を送ることしかできず、受験生との接点が少なかったという。

 受験した埼玉県熊谷市の男子高校生(17)は「コロナもあるし、一人暮らしは難しい。自宅から通える範囲の大学を受けています」。東京の大学も受けるが、初めて大学を訪れるという。「人混みも心配。マスクや手洗いなど気をつけて臨みます」と語った。

 作新学院大(宇都宮市)は一般入試の受験者は減ったものの、推薦や総合(AO)入試は増加。常磐大(水戸市)でも地元を中心に推薦受験が増え、群馬県の私立大も昨年以上に推薦を増やした。常磐大の担当者は「通いやすい大学を早めに選ぼうとする受験生が増えたのでは」と話した。

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 栃木県緊急事態宣言が出されたことを受け、宇都宮大は1月21日、2次試験(前期・後期)の中止を発表した。合否は共通テストの成績をメインに判断する方針を示した。

 入試担当の宇大アドミッションセンターの渡辺文彦事務室長は「1月25日の出願開始より前に決断する必要があった。生徒の健康を最優先に考えた結果」と説明する。約40件の問い合わせや意見があったという。

 5日に締め切った前期日程(定員633人)に1173人、後期日程(定員83人)に416人がそれぞれ出願した。前期は昨年より志願者が200人減り、倍率も1・9倍(昨年2・2倍)に下がった。

 浪人生に比べて現役生は2次試験直前の1カ月間で成績を伸ばす例が多いという。それだけに慌てた高校生は多かった。

 宇都宮女子高の進路指導担当教諭は「中止は予想できなかった」。石橋高の担当者は「2次試験までの1カ月で伸びる生徒も多いだけに残念。ただ、これ以上できることはない。生徒も冷静に受け止めている」。

 宇大を志望していた宇都宮北高の村上心温さん(18)は急きょ志望校を変更した。共通テストで苦戦し、2次試験での巻き返しを狙っていた。「仕方ないが、もう少し早く発表してほしかった。もう少し共通テストの勉強に時間を割けたのに」と悔やむ。

 宇大に出願した宇都宮市の県立高の男子生徒(18)も、中止を受けて締め切り直前まで出願大学を悩んだという。「不安もあるが、結果を待つしかできない」と語っていた。(平賀拓史)

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 信州大は人文と経法両学部の2次試験を中止した。文部科学省のまとめ(1月29日時点)によると、約130の大学がオンラインを活用するなど選考方式を変更。試験自体の中止は少ないという。

 同省大学入試室は1月下旬、全国の大学に通知を出し、「出願後の試験方法の変更は受験生への不利益となる」として慎重な対応を求めた。2月3日にも通知を出し、念を押した。担当者は「入試形式変更を予告する動きも出ている。大学に試験の適切な実施を求めた」としている。

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