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 静岡大工学部を中心に進めている宇宙ゴミのリサイクルを目指す研究が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「革新的衛星技術実証プログラム」の実証テーマに採択された。研究を先導する能見公博教授が1月に記者会見を開き、プロジェクトの概要を説明した。

 宇宙ゴミとは、地球の周りを漂う不要な人工物。役割を終えた人工衛星やロケットそのもの、その破片などを指す。大きさが10センチ以上のものは、確認されているだけで約2万個ある。高速で地球を周回しているため、衛星などへの衝突が心配されている。

 能見教授らが進めるプロジェクト「STARS―X」の最終目標は、これら宇宙ゴミを回収し、利用できる機器や資材を再利用することにある。

 今回採択された実証実験では、JAXAのロケットで静大の衛星を打ち上げ、そこから排出したダミーの宇宙ゴミを回収する。衛星の打ち上げには多額の費用が必要だが、実証テーマに採択されたことで、直接の負担が無くなるのが大きなメリットだ。

 衛星は50センチ四方の大きさにして宇宙空間まで運び、二つに分離させる。分離した2体はワイヤでつながっており、両者の間を昇降機が行き来する。

 宇宙ゴミは衛星から出した網で捕獲する。宇宙ゴミの捕獲はもちろん、分離された衛星の間を昇降機が行き来すれば、いずれも世界初だという。6月までに試作機を造り、実際の打ち上げ機は年内に完成、試験を経て来年5月にはJAXAに引き渡す予定だ。

 能見教授は2008年に研究をスタート。「これまでいろいろな失敗をしてきたが、それをベースにして今回は絶対に成功させたい」と意気込んでいる。(須田世紀)

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