病気や障害ではない 敏感ゆえ苦しむ「HSP」に理解を
生まれつき周囲の刺激や人の気持ちに敏感な特性を持つが故に苦しむ人たちの存在が注目されている。病気や障害ではなく、「HSP」と呼ばれ、海外の研究では5人に1人が当てはまるとされるが、理解が進んでいなかった。茨城県内で、ブログの発信や自助グループなど活動が広がり始めている。(片田貴也)
HSPを自認する水戸市に住む長池涼太さん(32)は、約2年前からブログで自身の経験をつづる。
長池さんは、2011年に建設会社の事務職に派遣社員として働き始めた。書類作成や電話対応など複数の仕事を同時にこなせず、上司から叱責(しっせき)された。努力してもできずパニックになったこともあった。数カ月後には慢性的に下痢が続き、医師からはストレスが原因とみられる「過敏性腸症候群」だと診断された。派遣会社の担当者に相談したが「気にしすぎ」と返された。
転職先の学習塾でも不調は続いた。
同僚が上司に叱責されているのを見ると、自分も怒られているように感じた。教えている間も、上司を思い出して、集中できない。退職してアルバイトなどを続けた。
HSPの存在を知ったのは18年。偶然ツイッターで「HSPはマルチタスクが苦手」という記事を見つけた。特徴が自分とあてはまった。「人と違う違和感の正体がわかって、楽になった」と話す。ブログで発信するだけでなく、昨年12月から水戸市内で月2回ほど交流会を開催している。
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HSPの特性を持つ人やその子を持つ親たちのグループも増えている。
昨年12月にひたちなか市で…