北朝鮮、経済担当者を交代 金総書記の批判で更迭か

ソウル=鈴木拓也
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 北朝鮮の平壌で朝鮮労働党中央委員会総会が8日から11日にかけて開かれ、経済担当を務める党経済部長を交代する人事が行われた。朝鮮中央通信が12日に伝えた。経済部長は1月の党大会で選出されたばかりだが、金正恩(キムジョンウン)総書記は総会で、今年の経済計画を「目標が低い」と痛烈に批判しており、担当者を更迭したとみられる。

 同通信によると、正恩氏は総会で、党大会で決まった今年からの国家経済発展5カ年計画に基づき、内閣が立てた今年の経済計画に言及。電力生産の計画が現在の水準よりも低く立てられ、平壌市の住宅建設計画も党大会で決定した目標よりも低いなどと指摘した。

 そのうえで「党大会の方針が正確に反映されていない。主要経済部門の計画を作成する上で内閣が主導的な役割を果たさず、各省が起案した数字を機械的に並べた」と強い不満を示し、各部門に計画の見直しを求めた。

 韓国の情報機関・国家情報院で分析官を務めた郭吉燮(クァクキルソプ)ワンコリアセンター代表は、「(正恩氏が)経済計画の修正を強く求めるとともに、見せしめとして担当者に責任を取らせたのだろう。新型コロナウイルス経済制裁の影響を受けるなか、現場の幹部はより厳しい立場に置かれる」とみる。

 一方、総会では、李善権(リソングォン)外相を党政治局員に選出する人事も行われた。韓国の専門家には、地位が高まった李氏が、今後の外交を積極的に担うとの見方も出ている。(ソウル=鈴木拓也)