「あんな最期を…」 コロナに奪われた父、骨も拾えず

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増山祐史
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 新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて亡くなってから、1年が過ぎた。感染拡大に歯止めはかからず、この間、7千を超える命が失われた。最期に手を握ることも、骨を拾うこともできないまま残された家族は、やるせない思いを抱えている。

 「あんな最期を迎えるなんて、想像すらしていなかった。もう一度だけ直接会って、『今までありがとう』って伝えたい」

 札幌市に住む女性(38)は、段ボール2箱分になる遺品を実家で整理しながら、78歳で亡くなった父を振り返った。

 父は別の病気のため、昨年1月から北海道内で入院生活を続けていた。コロナのため、昨春以降は面会禁止に。寂しかったが「病院にいた方が安全」と前向きにとらえていた。

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札幌市に住む女性と入院中の父がかわした携帯電話のショートメッセージ=女性提供

 昨年末、院内で患者の感染が見つかった。父はPCR検査の結果、幸いにも陰性だったが、「100%大丈夫ってことはないからね」と携帯電話越しに念を押すと、「分かっているよ」と落ち着いた声が返ってきた。

当初のPCR検査では「陰性」とされた女性の父。ただ、数日後に状況は一変します。「もっと親孝行してあげれば」。父が残したある物に、女性は今もやるせなさがこみ上げてくるといいます。

 だが、その2日後、病院から…

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