外食に「ありがとう」 コロナで広がる選択肢

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アナザーノート 伊藤裕香子編集委員

 緊急事態宣言が延長されている、東京・銀座を歩きました。コロナ禍で感染拡大の「急所」と名指しされた飲食店の入り口に、それぞれの表情が浮かんでいます。

 1月から閉まっている扉やシャッターには、黒いペンでの手書きのお知らせが、そのままありました。

 「時短が20時以降になれば即営業します」「いつでも開いているはずなのに、閉めざるをえない状況を何卒(なにとぞ)、御理解下さい」

拡大する写真・図版「苦渋の選択」の休業を知らせる東京・銀座の飲食店の貼り紙

 20時閉店の期間が「3月7日まで」に変わった貼り紙には、「皆で協力し、今を乗り切りましょう!」の赤い文字。人の流れが戻らない通りに向けて、訴えているようです。畳んだお店も、いくつか見かけました。

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 家の外に食事に出かける機会は、減りました。毎日のように外食していたコンサルティング会社ミライロの垣内俊哉社長(31)も、その一人です。最近は、いままで楽しむ機会がなかったメニュー、行けなかった店の料理をデリバリーして、自宅や会社で食べているのだとか。食卓には、インドカレーとチーズのナン、ワンタン麺や担々麺も並びます。

拡大する写真・図版ミライロ社長の垣内俊哉さん=同社提供

 車いすを使う垣内さんにとって、インドカレーの店は入り口に高い段差があり、1人では行けません。ワンタン麺の店はいつも行列で、広めの席が空かないと入れませんでした。

 入り口に段差がない、もしくは1段の飲食店は全体の1割ほどだと、バリアフリー地図アプリ「Bmaps」を考案した垣内さんは言います。車いすを使う人にとって、外食とはこの1割に足しげく通うことで、残り9割は遠い店でした。

 「限られていた飲食店の選択肢が、広がりました」

 いずれは外食に出かけたいし、雨だったり疲れたりしていたら、お店の味を家で楽しむ。配送料などはかかりますが、昨年から一気に広がったデリバリーやテイクアウトは、その人にとっての便利を選べる「ユニバーサルデザインの一つのかたち」と、とらえていました。

「時間と場所からの解放」

 閉店、さらには従業員の希望退職まで。飲食店は大手であっても、コロナ禍で激しく身を削っています。

 ロイヤルホールディングスの菊地唯夫会長(55)も、先が見通しきれない苦しさから、最大の心配は「耐え忍んだ後に、きちんとしたサービスを提供できる余力が本当に残っているか」にあると語ります。

 時間との闘いのなかで、力を…

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