質問すれば何かが起きる? 権力を知る「辻元流」の本質

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今野忍
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アナザーノート 野党取材キャップ・今野忍

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 みなさん、こんにちは。今野忍と申します。2009年4月に政治部の記者になり、2度の政権交代を取材してきました。民主党政権も、野党自民党も取材し、いまは野党担当の記者を統括するキャップを務めています。政治や政治家というと取っつきにくい印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、普段の記事ではお伝えし切れていないエピソードを交えながら、「へえ、あの人にこんな一面があるんだ」と思っていただけるようなリポートをお届けできればと思っています。よろしくお願いします。

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 さて、私が最初に取り上げるのは、野党の論客で知られる辻元清美さんです。いまは立憲民主党に所属する衆院議員です。

 「ソーリー、ソーリー」。国会で厳しく首相を追及する姿を、テレビで見たことがある方も多いと思います。特に安倍晋三前首相とは、何度も論戦を交わしてきました。

 昨年12月25日、辻元さんの姿は衆院の議院運営委員会にありました。「桜を見る会」前夜の夕食会をめぐり秘書が略式起訴された前首相が、事実に反した過去の答弁を自ら訂正したいと申し出たのです。夕食会について、安倍氏は国会で「私がここで総理大臣として答弁するということについては全ての発言に責任が伴う」と明言していました。その答弁を引き出したのが辻元さん。この日の議運委でも質問に立ちました。

 「民間の会社だったら通用しない。総理大臣が答弁する言葉がうそだったら、感染症対策では命に関わる答弁につながるかもしれない。子どもの教育にも悪い。けじめをつけて議員辞職されたらどうか」と辻元さんがただすと、前首相はこう返しました。

 「厳しいご指摘をいただきました。この反省の上に立って、信頼を回復するための努力を重ねていきたい。一議員として、国家国民の期待に応えていくことができるように全力を尽くしてまいる決意でございます」

 反省を口にしつつ、議員辞職は拒否しました。

質問当日の朝「これ変だよ」

 質問の数日前から、安倍氏側の政治資金収支報告書を読み込んだという辻元さん。夕食会について告発した弁護士への聞き取り調査も行い、集めた収支報告書を秘書や党のスタッフと読み込みました。質問当日も朝から資料をめくっていると、収支報告書に「領収書を紛失した」という届け出が添付されていることに気付きました。

 「これ変だよ」

 領収書は紛失しているのに…

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