家を背負って5千キロ、職務質問は数百回 移住は芸術だ

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上田学

拡大する写真・図版「家」を背負って能登半島を「移住」する村上慧さん=金沢21世紀美術館提供

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 東日本大震災をきっかけに定住や土地の私有に疑問を抱き、自作の「家」を担いで全国を渡り歩く芸術家がいる。「移住を生活する」と題し、生活を根本から考える試みだ。「家屋を縛り付ける土地の存在」から離れ、見えてきたものとは――。

 作家は、東京都葛飾区出身の村上慧さん(32)。発泡スチロール製の小さな「家」を背負う。家は幅1メートル、奥行き1・7メートル、高さ1・2メートル、重さ10キロほどで、屋根瓦や鍵付きのドア、窓、表札もある。中は意外に暖かいという。

 「通りすがりの者なんですが、今夜の敷地を探していまして」。公園や道路では許可なく寝泊まりできないので、神社や寺、個人宅などに交渉して家を置かせてもらう。たいがい返ってくる返事は「責任者がいなくて判断できない」「意味がわからない」などと素っ気ない。断られてもめげずに声を掛ける。

 家を背負って歩く姿に、すれ…

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