「5秒待ってくれ!」
「よっしゃー!」
5人1組の対戦型ゲームに、そばにいる仲間と連携して励むのは、東京都の中学男子(15)だ。
1年3カ月前までは、食事とトイレ、入浴以外を自室のベッドの上で過ごす日々だった。浸りきっていたのはゲームだ。
そして、引きこもりから立ち直れたきっかけもゲームだった。
ここは東京都千代田区の「eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)」。NTTが昨年、オンラインで競うeスポーツ文化の定着をめざして開業し、最先端の情報通信機材を備える場所だ。
この施設を、不登校や引きこもりの解決を目指すNPO法人「高卒支援会」が週2度借りて、大会出場やプロを志す子どもがeスポーツに打ち込めるようにしている。
2017年4月から今年1月まで、同会に電話やメールで寄せられた引きこもりの相談は83件あった。自宅訪問に至った36件のうち32件で解決に至った。
理事長の竹村聡志さん(32)は「スタッフが本人と仲良くなる方法としてゲームはかなり有効。成功例のほぼすべてがゲームを使っています」と言う。会が運営する学習教室に通い、規則正しく生活するために、eスポーツは格好の手段となるのだという。
冒頭の男子は私立中に進んだが、勉強漬けに嫌気が差し、引きこもった。
高校生インターンのスタッフ…
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