「ジェンダー問題残る」「透明性ない」森氏巡り海外報道

大部俊哉、パリ=疋田多揚、ロンドン=遠田寛生
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 女性蔑視発言をめぐり、東京五輪パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任を表明した12日、海外の主要メディアもこの日の動きを相次いで報じた。後任への就任を打診されていた元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)が一転して辞退したことにも触れ、後任選考の混乱ぶりを伝えている。

 「森氏より高齢の84歳。合意を得るにはほど遠かった」。フランスのAFP通信は、後任とされていた川淵氏について、こう指摘。森氏本人が川淵氏に就任を要請したことについて、「正式な指名手続きの外で行われ、不満が生まれている。後任問題はまだ決着がついていない」と伝えた。

 AP通信も、川淵氏への就任要請について「『なぜ女性が起用されなかったのか』という問題を提起する」と疑問視。「森氏は去るが、ジェンダーの問題は残る」との見出しを掲げた。また、五輪開催への影響についても、「森氏の辞任が空気を一掃し、パンデミックの渦中にある東京がわずか5カ月で五輪の開催方法に焦点を戻すかどうかは不透明だ」と伝えた。

 英ガーディアンは川淵氏について「あまり相談や透明性がないまま、森会長が持ちかけたということで辞退した」と説明。タイムズは「年齢も見解も彼(森氏)に近いとみられている」として、森氏との共通点に注目した。BBCは「現時点では森会長を誰が引き継ぐかはわからない」とした上で、森氏が川淵氏を選んだことも抗議につながったとの見方を報じた。

 韓国の聯合ニュースは、事実上、森氏が後継者を指名したとした上で、「日本国内で『密室人事』議論が起きている」と報道。「森氏が辞任の意思や理由を直接説明していない段階で、川淵氏に就任を要請したのは不適切だったという指摘が出ている」と報じた。(大部俊哉、パリ=疋田多揚、ロンドン=遠田寛生)