第一生命が全役員43人の報酬減額 19億円詐取問題で

山下裕志
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 第一生命保険は12日、元営業社員が顧客から計19億円超をだましとった問題で、親会社の第一生命ホールディングス(HD)も含めた全役員43人の報酬を減額すると発表した。元社員の管理などに携わった担当役員5人は責任が重いとして、懲戒処分にした。

 第一生命の渡辺光一郎会長と稲垣精二社長は3月から3カ月間、月額報酬の半分を自主返納する。HDを含む両社のほかの役員9人も同期間、月額報酬を1~3割減らす。さらに両社の執行役員以上の43人を対象に7月から1年間、業績連動で払われる報酬を一律で1割減らす。元社員の管理や社内のコンプライアンス部門などにかかわる第一生命の常務執行役員2人は減給、別の役員3人は戒告にした。役員以外の従業員2人も懲戒処分とした。

 元社員は山口県内で保険を半世紀以上売り続けた成績優秀者で、会社から社内唯一の肩書「特別調査役」(現在は廃止)を与えられていた。「特別枠」を用いて高金利で運用するとのうそを持ちかけ、2002~20年に24人から計約19億5100万円を取得した疑いがある。第一生命は外部から17年に不正発覚につながる情報を受けて調べたが、実態をつかめず調査をいったん終え、その後も被害が広がった。稲垣社長は昨年12月の記者会見で「保険契約の信頼を揺るがす重い事案と認識している。企業風土や体質に問題があった」と陳謝し、今年度中に処分を公表すると説明していた。(山下裕志)