学習支援アプリ、他人の提出状況に関心? 悩む創業者

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取材・構成 松沢奈々子 インタビューはZoomで行いました
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 コロナ禍のもとで、「ロイロノート・スクール」という学習支援アプリの利用者が急増している。開発したのは横浜市に本社を置く企業LoiLo(ロイロ)。どんなアプリなのか。何をめざしているのか。創業者で代表取締役の杉山浩二さん(43)に聞いた。

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 ロイロノート・スクールでは、課題解決に向けて考えたことを、文字や図、写真、動画、音声で表現し、それをクラスで共有したり、先生に提出したりできます。教室で行う授業でも、オンライン学習でも使えます。模造紙に書き出して議論するような、これまで年に数回しかできなかった取り組みが毎回できるようになります。

 もともとは動画編集の敷居を下げようと作ったソフトでした。教育系のツールとして改良し、2010年ごろから教育現場にアプローチを始めました。

 現在、国内外の5千校以上で採用されています。1日当たりの利用者数は、小学生から大学生まで、さらに教員も合わせて47万人ほど。この1年ほどで約4倍になりました。横浜市教育委員会とは昨年7月に協定を結び、全市立学校でロイロノート・スクールを使った授業が展開されつつあります。神奈川県教委とは16年から課題解決型学習の共同研究を行っており、すべての子どもたちがイノベーター(革新者)に育ってほしいとの思いで、30人の社員と開発に励んでいます。

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 一斉休校になり、オンライン学習が広がった昨春は本当に大変でした。余裕のある設定をしていたつもりでしたが、突然の利用者急増でサーバーが耐えられなくなり、色々な対策をしながらサーバーがダウンしないように社員総出で対応しました。4月ごろは私立校の利用が目立ちましたが、昨年末からは公立校での利用も増加しています。

 コロナが後押しする形で学校はネット環境を整備し、国が進めるGIGAスクール構想が前倒しされるなど、教育分野でのICT(情報通信技術)活用は加速しています。より積極的に使ってもらえる土壌ができつつある。そんな手応えを感じています。

 ロイロノート・スクールを使っている教室をのぞくと、先生が楽しみながら活用しているクラスは子どもたちも楽しそうにしています。習得の早い子どもたちから、先生がインスピレーションを受ければ指導力向上にもなる。そんな好循環が起きています。

 ロイロノート・スクールは、今は先生が宿題を出して管理するために活用されていることも多いので、そこから脱してもらうのが課題。子どもにとって「宿題が降ってくるアプリ」になっていないか気がかりです。本来、子どもたちは学ぶことが好き。でも現実は、学校の勉強や受験が「やらないといけないもの」になり面白くなくなっています。アクティブラーニングとも言いますが、主体的に考えて自分の意見を発表し、それがもし認められなくても、あまり気にしないで自信をもって次に進む。そんな流れがアプリを通してできたらいいなと思います。

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 最近、こんなことがありました。

 ロイロノート・スクールには…

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