四国初の新人王へあと1勝 高知のプロボクサー福永宇宙

伊藤雅哉
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 高知県四万十町出身のプロボクサーで、黒潮ジム(高知市)に所属する福永宇宙(そら)選手(23)が2月21日、東京・後楽園ホールで全日本新人王決定戦に臨む。若手の登竜門といわれ、1955年に始まったトーナメントでこれまで、四国のジム所属の選手が優勝した例はない。福永選手は「誰も成し遂げていないことにこだわってきた。勝って四国を盛り上げる」と燃えている。

拡大する写真・図版黒潮ジムの福永宇宙選手。身長169センチの右構えで、威力のある右ストレートが持ち味だ

 福永選手はスーパーバンタム級(約55・3キロ以下)。昨年8月から予選を戦い、4戦全勝(3KO)で勝ち上がった。昨年末の西軍代表決定戦では全12階級の勝者から最優秀選手(MVP)にも選ばれた。ジム入門は2018年と競技歴は浅い。さらに黒潮ジムには他にプロ選手がおらず、実戦練習の機会が限られるなか、「あと1勝」のところにまで上り詰めた。「ここで勝つのと負けるのでは全然違う。ただ勝つだけでなく、見てくれる人に何かが伝わる試合がしたい」

 全日本新人王決定戦には長い歴史がある。ガッツ石松、飯田覚士(さとし)、内藤大助畑山隆則ら、後の世界王者も全日本新人王をステップにしてきた。この試合に勝てば自動的に日本ランキングに入り、国内トップレベルで戦う足がかりになる。

拡大する写真・図版21日に全日本新人王決定戦に出場する福永宇宙選手(右)。昨年12月27日の西軍代表決定戦は3ラウンドTKOで勝った=2020年12月27日、エディオンアリーナ大阪

 四国にはプロ加盟ジムが少なく、アマチュアの経験者も東京や大阪などに出て行く傾向がある。80年代に黒潮ジムの所属選手が2度、決定戦に進んだことはあるが、頂点には立てなかった。

 例年なら各選手の地元から応援団が来場し、夏の甲子園のような雰囲気もあるが、コロナ禍の今回は無観客で開催される。それでも、県内各地で応援ポスターが掲示されたり、高知市内でCS放送の観戦会が計画されたり。福永選手も地元の期待はひしひしと感じており、「人に応援してもらえる喜びを知りました」と語る。21日はプロ9戦目で初のサウスポーの相手、花形ジム(横浜市)の矢斬(やざん)佑季選手(29)と対戦する。伊藤雅哉