露外相、EUとの断交「用意ある」→大統領府は火消しに

モスクワ=石橋亮介
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 ロシアのラブロフ外相が、対立する欧州連合(EU)との「関係断絶」に言及したと12日に報じられ、大統領府が慌てて打ち消す一幕があった。ラブロフ氏の発言は、新たな対ロ制裁を仮定したものだったが、さらなる関係悪化を招きかねず、火消しを迫られた形だ。

 ラブロフ氏の発言は、同日公開された国営メディアのインタビューでのものだ。「ロシアはEUとの関係断絶に向かうのか」と問われ、「ロシア経済の最も重要な分野にリスクを及ぼす制裁が科されれば、その用意はある」と答えた。ロシア・EU関係が緊張するなか、ラブロフ氏には政権の強気な姿勢を国内向けにアピールする狙いがあったとみられる。

 だが、一部のメディアが、ラブロフ氏の発言をセンセーショナルに報道。直後にペスコフ大統領報道官が「文脈を無視した大きな間違いだ」と反発した。「ロシアは関係断絶を望まない。EUがその方向へ進むなら我々も(関係を絶つ)、ということだ」と説明し、ロシアから関係を絶つ考えがないことを強調した。

 EUとの関係は、昨年起きたロシアの反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏の毒殺未遂事件を巡って悪化してきた。EUは同年10月、ロシア大統領府の高官らに対する制裁を発動。ロシアも対EU制裁で報復した。さらに、ナバリヌイ氏の拘束や反政権デモの弾圧などが続き、EU内では、プーチン大統領の側近らに対する新たな制裁を求める声も強まっている。(モスクワ=石橋亮介)