おかんのカレー残したい コロナ閉店、諦めなかった息子

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西田有里
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 神戸で半世紀にわたって、女性が1人で切り盛りしてきた小さな食堂が、コロナ禍のあおりでのれんを下ろした。おかんの店を残したい――。そう願った一人息子は、店の定番の手作りカレーをレトルトにして売り出そうと奔走。販売サイトを立ち上げ、「第2の開店」を果たした。

 「キッチン プチット」は財部紀久子(たからべきくこ)さん(80)が1969年12月、神戸・旧居留地にあった「神戸朝日会館」の地下飲食街に開いた。カウンター席に17人が座ると、歩く隙間がないくらいの店だった。

 当時の客層は、ハイカラな雰囲気が漂う旧居留地で働く金融マンや港湾関係者たち。「せわしなくお昼ごはんを食べる姿がまさに『モーレツ社員』だった」と振り返る。

 その後、自動改札やATM(現金自動出入機)など自動化が進むと、客たちから「ゆとり」を感じるようになった。73年には席を五つ減らして居心地を良くした。お酒も出す夜間営業を始めると、仕事終わりの会社員が顔を見せるようになった。

 人気メニューも、健康志向が進み、肉料理から魚や野菜の料理がよく注文されるように。でも、ずっと人気だったのがカレー。たまねぎやジャガイモ、牛すじがごろごろ。隠し味チョコを入れる「おかんカレー」だ。

 店は89年に神戸のメインストリート・フラワーロードの東沿いに移ったが、98年に再び旧居留地に戻った。その間の阪神・淡路大震災にもめげず、紀久子さんは店を続けてきた。

 でもコロナ禍は違った。

 中国で感染が確認されると…

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