緊急速報前に揺れ、よぎった震災 「警戒して過ごす」

【動画】地震発生後のJR福島駅(14日午前0時ごろ)
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 最大震度6強の揺れが東北を襲った。広範囲で停電も広がった。10年前の東日本大震災の記憶が頭をよぎる中、関係者は被害の確認に追われた。

 東日本大震災の津波で甚大な被害があった岩手県沿岸部。13日の地震発生時、宮古市内のスナックでは棚からDVDが数十枚落下した。店内は一時騒然としたが、テレビで「津波の恐れはありません」と報道されると、「まず大丈夫だ」と安堵(あんど)の声が漏れた。「これだけ揺れたのは震災の余震以来かもしれない」とマスターの中洞勝さん(57)。震災ではボトルやグラスが落ちたが、今回は無事だった。「何事もなくてよがった」とほっとした様子だった。

 釜石市では地震直後、火の始末をし、落ち着いて行動するよう呼びかける防災行政無線が流れた。

 岩手県陸前高田市に住む菅野啓佑さん(79)は、緊急地震速報が流れる前に自宅で揺れを感じた。30秒ほど揺れ、菅野さんは「もしかしたらまた津波が来るかもしれない」と警戒し、食料などが入ったバッグを持って外に出る準備をした。テレビのニュースで津波の心配は無いと報じられ、ほっとひと安心した。

 ただ10年前の震災では津波を経験しただけに、「今晩中はもう1、2回、揺れるかもしれない。警戒して過ごす」と話した。

 震度6強を観測した宮城県蔵王町の職員は「役所に上がってくる間に見た限りでは、家の倒壊や道路の陥没も見当たらなく、住宅の電気はついている状態だった」と話した。

 震度5強を観測した宮城県白石市の白石警察署の署員は「何かにつかまっていないと立っていられない揺れだった。書類が棚から落ち、揺れは2~3分続いた」と地震発生時の様子を振り返った。直後から電話の対応に追われ、午後11時半の時点で消防の出動が1件あるという。

 10年前の東日本大震災で津波被害に遭った福島県相馬市の職員は午後11時半ごろ、「これから対策本部を立ち上げるため、職員が集まり始めている。津波警報は出ていないが、揺れがとても大きかった」と話した。福島県の安達地方広域行政組合によると、福島県本宮市の70代男性が自宅で、倒れてきたタンスに頭をぶつけ、けがをし救急搬送された。軽傷とみられ、意識はあるという。