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■ある商店街の変貌(上)

 近所のしゃぶしゃぶ店が昨春、店を畳んだ。「再開発のため閉店する運びとなりました」。店先の告知文にはそうあった。その半年後、店の一帯は白い鉄板に囲まれ、両隣も向かいの店もあれよあれよと30店ほど取り壊された。全長560メートルのアーケードで有名な東京都板橋区のハッピーロード大山商店街はいま、その中心部が更地になっている。「長年のご愛食ありがとうございました」と閉店の辞があったあたりには、25~26階建ての超高層ビルが2棟建つ「大山町クロスポイント周辺地区再開発事業」の完成予想図が張り出されている。

 お隣の北区の十条に行った際、駅前の商店が取り壊されて更地になっているのに驚いた。ここにも39階建て140メートル超の超高層ビルが建つという。都心の丸の内や大手町のような再開発が、吉田類さんが放浪するような酒場が並ぶ私が住む下町にも及んでいる。いったい何がおきているのだろう。それが取材を始めるきっかけだった。まず私の住む大山で開発の経緯をたどってみよう。

 五輪を前に東京大改造が進む。下町の商店街の変貌にその影響を3回の連載で探ります。

 ハッピーロード大山商店街は東武東上線大山駅の西側にあり、約200店が加盟する。マンション供給により周辺人口は増え、毎日3万数千人が訪れる集客力のある商店街だ。そんな商店街にとって長らく頭痛の種だったのが、東京都による都市計画道路補助26号線の計画だった。品川区から板橋区まで結ぶ幅20メートルの道路に商店街の真ん中3分の1がはぎ取られてしまう。計画は、戦後復興をめざした戦災復興院が1946年、広大な焼け野原を見て一気に欧米都市並みに東京を改造しようと野心を抱いたところから始まった。

奇跡を起こした人の登場

 「ところがそれがGHQ(連合…

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