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 若者たちが民主化を呼びかけた「アラブの春」で、エジプトの独裁政権が倒れて10年が過ぎた。軍の介入を経て強権体制へと回帰したこの国では、当局が今もSNSなどを通じた反政府的な言動に神経をとがらせている。

 移築された古代エジプトの記念碑が、カバーに覆われていた。カイロ都心部タハリール広場。2011年に広がったエジプトの「春」の中心地だ。

 エジプトでは民主化デモの開始日にちなんで「1月25日革命」と呼ばれる。若者たちが、民主化や賃上げなどを求めて蜂起した。長期政権を倒したチュニジアのデモに触発された動きだった。その年の2月11日、30年続いたムバラク政権は崩壊した。

 それから10年。広場に当時の熱気はない。代わって目に付くのが治安要員だ。濃緑色の警察車両の脇に銃を抱えた機動隊員が立つ。私服警官が通行人に視線を走らせ、デモの再燃を警戒していた。

 「身分証明書と携帯電話を見せて下さい」。3人の私服警官は、丁寧な口調で男性(38)に声をかけた。昨年1月下旬の夕刻。男性は広場近くの繁華街を歩いていた。9回目の革命記念日を控え、インターネット上では反政府デモが呼びかけられていた。

 スマートフォンを受け取った警…

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