「ガラケー女」とデマ拡散 ユーチューバーの男を提訴

新屋絵理
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 茨城県の常磐自動車道で2019年8月に起きたあおり運転事件で、加害者の車に同乗していた「ガラケー女」とのデマを流され名誉を傷つけられたとして、東京の会社経営の女性が、ユーチューバーとして活動する男性に110万円の賠償を求め東京地裁に提訴した。男性はユーチューブ上で約18万人のチャンネル登録者数を持っている。

 実際に同乗した女は19年9月、犯人隠避罪で略式起訴され罰金30万円の略式命令を受けて即日納付した。

 訴状によると、原告の女性は事件と無関係だったにもかかわらず、顔写真とともに「この女はずっと動画撮ってたんだよ」「共犯、こいつ」などと指摘する動画をネット上に配信された。視聴回数は約3万回だった。

 女性が「ガラケー女」と間違えられたのは、あおり運転の加害者が女性のSNSをフォローしていたことやサングラスをかけた容姿が似ていたことなどが要因とみられ、原告側弁護士は「根拠が薄弱すぎる」と指摘する。デマの拡散後は、多いときで1日約280本の迷惑電話や、1千件超の誹謗(ひぼう)中傷メッセージが女性に届いたという。

 男性には複数回、提訴に対するコメントを求めたが回答はなかった。

 女性は19年、同様のデマをSNSに投稿したとして愛知県の元豊田市議を提訴。東京地裁は名誉毀損(きそん)を認め33万円の賠償を元市議に命じた。原告側は、今回の動画は「元市議の投稿よりも悪質だ」と主張する。(新屋絵理)