地雷原から農地へ トラクター寄贈、ある男性が紡いだ縁

天野光一
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 かつて地雷原だったカンボジアの土地を農地に変えるため、愛媛県が現地にトラクターを贈る。中村時広知事が15日、明らかにした。

 トラクターの寄贈先はカンボジア西部のバタンバン州。1990年代まで続いた内戦の激戦地だ。この地では宇和島市出身の高山良二さん(73)が地雷処理に取り組んでいる。

 自衛官だった高山さんは92年から93年にかけて、カンボジアの国連平和維持活動(PKO)に参加。2002年の定年退官後も、内戦の際に設置された地雷や不発弾の処理に関わり、11年にはNPO法人「国際地雷処理・地域復興支援の会」を立ち上げた。

 高山さんの活動が縁で、県と同州は昨年1月、「友好交流・協力活動の構築に関する覚書」を締結。覚書締結1年を記念し、この日開かれたグオン・ラタナ同州知事とのウェブ会談で、中村知事が県立農業大学校で使われていたトラクターの寄贈を申し出た。地雷が撤去された土地が価値を生み出す農地に変わることを支援する狙いだ。

 中村知事は「高山さんなくしてこの交流はなかった。今後とも友好を深めていきたい」とあいさつ。ラタナ知事も「現在は農業を復興させるだけでなく、できた作物を加工して地域が豊かになるよう努力しています」と現状を説明した。

 県によると、同州では県内企業がマンゴーなどの現地の果物をドライフルーツに加工する事業を模索しているという。(天野光一)