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 日々のやることに追われて、長期的な夢を実現させるための時間を作れない。そんな悩みはありませんか。1週間のスケジュールを見直しても空いている時間がほとんどない――。どうすればいいのでしょう。今回は忙しい中で、夢実現のための時間を作る方法についてです。臨床心理士の中島美鈴さんが解説します。

忙しくても、長期的な夢をかなえたい

 年度末って忙しいですね。3月末までに仕上げなければならない仕事が多かったり、お子さんがいらっしゃる方は、学年の変わり目だったり卒業や入学でやることが増えますね。それから、転勤や異動があることから、なんだかバタバタします。

 こんなふうに目の前の忙しさに追われていると、もうそれだけで精いっぱいで、長期的にかなえたいこと・・・たとえば「いつかは家を建てたいなあ」とか「車、そろそろ買い替えたい」とか「いつかは英語を話せるようになりたい」とかまでたどり着けませんよね。

 今回は、こうした「日々のやることに忙殺されながらも、夢を実現させるための時間をいかに確保するか」について紹介します。

 前回は、月間目標を1週間ごとのやることとしてスケジュール帳に書く際に、既存の週間スケジュールを書き出し、その空き時間に、夢を実現させるための行動を「予約する」方法を紹介しました。

 ADHDの主婦で、これまで何度も自宅で植物を枯らしてきたリョウさん。夢である「緑に囲まれた暮らし」を実現させるために、最初の月間目標は「自分でも育てられる緑は何かを調べる」でした。さらにそれを1週間ごとのやることリストにして、1週目は、「親友のアヤさんにズボラでも育てやすい観葉植物についてLINEで尋ねる」ができたのでした。5分ほどでできることなら、リョウさんに限らず誰にでも予約が入れやすいはずです。

 しかし、これは2週目の目標「花屋さんで相談する」なら、話は変わってきます。花屋さんへの往復の時間や花屋での滞在時間をどう確保するか。そもそも行く花屋を決める必要もありますね。

「隠れたステップ」が…

 リョウさんは考えました。

 リョウ「観葉植物をたくさん置いてる花屋って・・・あったかな。なるべく大きいところの方が種類も豊富よね。でも高いところは避けたいなー。ひとまず近所の花屋をネットで調べることが先だな」

 やることリストが一つ増えました。こんなふうにいざ実行しようとすると、決めなければならないことは意外と多いのです。

 これを私は「隠れたステップ」と呼んでいます。2週目にやること「花屋さんで相談する」は、実は二つのやることだったのですね。

 □近所の花屋をネットで検索(グーグルマップで「花屋」で検索して、ホームページのある花屋の中からなるべく店内が広そうな、観葉植物が多そうなところを選ぶ)

 □その花屋に行って相談する

 こんなふうにその1週間のやることリストを作ります。

拡大する写真・図版イラスト・中島美鈴

 そして、それぞれの所要時間を見積もりましょう。

 □近所の花屋をネットで検索(1時間)

 □その花屋に行って相談する(移動合わせて、2時間)

 いかがでしょうか。

 1週間のうち、合計3時間確保するとなると、なかなかハードルが高いですよね。

 リョウさんの週間スケジュールはこんな感じです。

拡大する写真・図版イラスト・中島美鈴

 リョウさんは、なんとか木曜の午前中なら時間がとれやすそうだと思いました。朝ご飯の片付けを楽にして時間を短縮するために、朝食をピザを焼くだけにするのはいいかもしれません(いつもならお米派)。皿洗いを夫にしてもらうのもいいでしょう。

 いつも木曜の午前中に見ているドラマも、録画して他の時間に回すことにしました。木曜は近所のスーパーで魚が安い日です。いつもなら娘が小学校に行っている身軽な時間帯に買い物を済ませますが、スーパーには、午後、娘が小学校から帰宅してから一緒に行くことにしました。

時間をこじ開けるための発想

 こんなふうに「時短できる方法はないか?」「他の人にしてもらえないか?」「他の時間帯にずらせそうなものはないか?」と知恵を絞っていきます。期限のある仕事の場合には、「締め切りを延ばすことはできないか交渉する」という選択肢もあるかもしれません。

 こうして、リョウさんは木曜の午前中の3時間を確保しました。一気に同じ日に確保しなくてもいいのです、実際には、火曜に30分ネット検索、水曜に30分ネット検索の続き、木曜に花屋に行く、というように、細切れに時間がとれるということの方が多いでしょう。

拡大する写真・図版イラスト・中島美鈴

 リョウさん、確実に夢に近づいていますね。もしかするといい植物に出会えたら、2週目で購入するかもしれませんね。

 時間のこじ開け方について紹介してきましたが、これだけ自分に予約を入れていても「突発的な仕事(用事)が入ってくる」ことも人生では多くありますね。もしくは「すごく疲れて、体調不良」「家族が体調不良」「雨や雪でいけなかった」などのやむを得ない事情が発生して、どんなに自分に予約を入れていても、変更を迫られることもあるでしょう。次回はこのような、どうしても予定を変更せざるをえないときについて紹介します。

 ◇このコラムの著者がオンラインで2月25日(木)夜に時間管理セミナーを開催します。詳細はこちらから(https://timemanas.peatix.com/別ウインドウで開きます)。

中島美鈴

中島美鈴(なかしま・みすず) 臨床心理士

1978年生まれ、福岡在住の臨床心理士。専門は認知行動療法。肥前精神医療センター、東京大学大学院総合文化研究科、福岡大学人文学部、福岡県職員相談室などを経て、現在は九州大学大学院人間環境学府にて成人ADHDの集団認知行動療法の研究に携わる。他に、福岡保護観察所、福岡少年院などで薬物依存や性犯罪者の集団認知行動療法のスーパーヴァイザーを務める。