密防ぐ僧侶らの合宿3週間 千年続く法要、挑む東大寺

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渡辺元史
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 「お水取り」として知られる奈良・東大寺修二会(しゅにえ)が近づいてきた。僧侶らが約3週間の合宿生活を送り、このうち3月1日からは1日6度、二月堂にこもって祈りを捧げる。奈良時代から続く伝統行事はコロナ禍でも「密」を避けるのは難しいが、寺はさまざまな感染対策に取り組む。

 修二会は、大仏が開眼した752年に始まったとされ、一度も途切れることなく今年で1270回目を迎える。人々が知らず知らずのうちに犯してきた罪を、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる11人の僧が人々に代わって悔い改める法要だ。

 練行衆やサポートする人たちは2月20日から合宿生活に入り、3月1~14日の本行(ほんぎょう)に臨む。練行衆は本行中、二月堂の本尊・十一面観音に世界平和や国家安穏を祈る。夜は、二月堂へ上がる練行衆の足元を照らす松明(たいまつ)がともされる。ひときわ大きな松明がたかれる12日には、例年2万人を超える参拝者が訪れるという。本行の終わりごろに二月堂近くの井戸から水をくみ上げる儀式があり、「お水取り」という呼び名が定着した。

 今回は3密を防ぐため、寺は昨年の夏ごろから対策を練ってきた。医療の専門家に助言を求め、会議に加わってもらった。

 合宿生活は、練行衆11人を含む計39人。この39人はPCR検査を受けたあと、6日から自坊などで隔離生活を送っている。20~28日の合宿は、3月1日に始まる本行の準備を進める前行(ぜんぎょう)の期間だ。俗世間とは別のきよらかな火を用いるため、「別火(べっか)」と呼ばれる。一緒に暮らす家族がいて隔離が難しい場合や、福岡や鎌倉の末寺から参加する練行衆はホテルにこもる。合宿前に再度、PCR検査を受ける。

 例年は、練行衆が合宿所を出て、修二会に参加しない僧侶らに別の建物であいさつし、茶を振る舞われる行事があるが、今年は玄関先でのあいさつにとどめる。練行衆らが発熱などの体調不良を訴えた場合、保健所や病院に連絡して指示に従うという。

 3月1日からの本行は、例年なら、参拝者が二月堂の堂内に入れるが、今年は二月堂の扉を閉めて入れない。夜の松明は1~11日、参拝者を約2千人に制限する。週末にあたる12~14日は二月堂周辺への立ち入りを禁止する。

 その代わり、奈良出身の映画監督の河瀬直美さんに修二会の様子を撮影してもらい、奈良公園の春日野園地に設けた大型ビジョンで生配信する。一部のホテルや旅館にも配信する。(渡辺元史)

平安末期、戦国時代…過去に3度の危機

 東大寺によると、修二会はこれまでも存続の危機に3度直面した。

 平安末期の1180年には平…

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