「ジャパニーズウイスキー」に基準、輸入原酒の使用ダメ
海外で人気が高まっている日本のウイスキーについて、日本洋酒酒造組合は16日、「ジャパニーズウイスキー」と表示できる商品の自主基準を定め、公表した。原料に輸入麦芽は使えるが、蒸留などの製造過程は全て国内で実施するとし、「輸入原酒」を混ぜた場合は該当しないとした。
近年、海外で蒸留された輸入原酒のみを瓶詰めした商品を「ジャパニーズウイスキー」と表示して輸出するケースなどが判明。海外から批判の声も上がったことから、組合では基準づくりに取り組んできた。
自主基準では、原材料は麦芽、穀類、国内で採水された水に限る▽糖化、発酵、蒸留といった製造過程は国内で行う▽国内で木製樽(だる)を使って3年以上貯蔵したうえで瓶詰めする、などの条件を定めた。
「日本ウイスキー」「ジャパンウイスキー」といった類似の表示をする場合も、基準を守るように求める。そうした表示をしなければ、輸入原酒の使用は問題ないとしている。違反した場合の罰則はない。
組合は、加盟する82社を含めた国内事業者に基準の順守を呼びかける。海外の業界団体にも英文の基準を送り、周知するという。
組合は「定義を明確化して国内外に明らかにすることによってお客様の混乱を避けるとともに、日本で独自に進化してきたウイスキーの価値を引き続きお客様に訴求していきたい」などとしている。(生田大介)
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