新トップ選出のWTOは課題山積 米中対立で機能不全

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ロンドン=和気真也、ワシントン=青山直篤
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 世界貿易機関(WTO)の次期事務局長に、ナイジェリア元財務相のヌゴジ・オコンジョイウェアラ氏(66)が正式に選出された。半年近く続いた異例のトップ不在が、ようやく解消される。ただ、機能不全が続くWTOの立て直しに向け、課題は山積だ。

 「WTOは深く幅広い改革が必要だ」。15日に7代目の事務局長就任が決まったオコンジョイウェアラ氏は、ウェブ上で開いた記者会見の冒頭にこう述べた。WTOでは初の女性トップで、アフリカ出身も初めて。世界銀行幹部など国際経験も多く、調整力に定評がある。

 「自由貿易の番人」とされるWTOだが、近年は機能不全に陥っている。その象徴が、加盟国どうしの紛争を解決する機関の機能停止だ。WTOの「最高裁」にあたる上級委員会は、米国が委員の任命を拒否して、2019年末から案件処理ができないでいる。

 背景にあるのが、米中の対立だ。米国は、中国が技術移転の強要やサイバー攻撃を通じて先進技術を不正に手に入れたうえ、巨額の補助金を中国企業につぎ込むことで、排他的な国内市場を育てて急成長してきたと、強い不信感を抱いている。トランプ前政権で通商代表となったロバート・ライトハイザー氏は、制裁関税を使った厳しい対中政策を展開する一方、こうした中国の問題に対処できず、中国に「途上国」としての特別待遇を与えるWTOに対し、「不公正な通商慣行を野放しにしている」と批判してきた。

 昨年8月にアゼベド前事務局…

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