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 石川県は16日、2021年度の当初予算案を発表した。一般会計は新型コロナウイルス禍の影響で6490億5200万円(前年度比9・2%増)となり、3年連続で増加。一方、年度内の財源不足を補う「財政調整基金」が初めて底をつくなど、苦しい財政事情も浮き彫りになった。

 20年度3月補正予算案と一体的に編成し「実質当初予算」として発表した。

 県によると、歳入、歳出とも新型コロナ禍の影響を大きく受けた。谷本正憲知事は16日の会見で、編成の基本方針について「感染拡大防止、地域経済の正常化など、広い意味での県民生活の安全安心のさらなる確保、石川の強みのさらなる磨き上げ」とした。

 歳入では、県税に、国から配分される地方消費税清算金などを合わせた「実質県税」が1696億円と、前年度比10・1%減。なかでも企業業績の悪化で、法人関係税が418億円(同27・6%減)と大幅に減少した。県財政課によると、同程度の減少はリーマン・ショックの影響を受けた10年度の当初予算案以来という。歳出も、新型コロナ対策費として411億9800万円が計上されるなどした結果、「一般行政経費」が2977億2300万円と同23・1%増。コロナ以外でも、自然災害に備えた河川改修や道路整備などの公共事業に充てる「投資的経費」が1252億6500万円と同1・2%増だった。

 県は今年度、コロナ感染拡大に伴う中小企業や個人事業主に独自の支援金を支給。県の貯金にあたる財政調整基金を16億円まで減らしていたが、新年度で、ほぼ全て取り崩される見込みだ。

 また財源不足を補うため、県の借金にあたる県債の発行額も1037億5500万円(同16・2%増)と膨らむ。このうち国が本来交付すべき財源を補う「臨時財政対策債」を370億円(同84・1%増)発行した。

 谷本知事は「財政調整基金が底をついたのは、正常ではない事態。コロナ関係で止めている事業については基金に積み戻すなどして、本来の柔軟性を維持したい」と話した。(岡純太郎)

◆新型コロナ対策

・ワクチンの円滑な接種に向けた体制整備(1億2500万円)

・身近な医療機関を中心とした1日最大4700件の検査体制の確保(14億円)

・患者専用病床(258床)を確保する医療機関に対する支援や無症状者や軽症患者らを受け入れる宿泊療養施設(340床)の継続的な確保(239億円)

◆経済

・新型コロナウイルス感染症対応中小企業金融支援基金の創設(30億円)

・新分野への進出や事業転換の支援(1億500万円)

◆五輪・パラ五輪

・県内全市町での聖火リレーの実施など(5千万円)

◆交通

・北陸新幹線県内全線開業に向けたアクションプランの推進(7750万円)

・並行在来線を引き受けるIRいしかわ鉄道に対し、乗り継ぎ割引・運賃値上げ抑制に対する助成(1億5千万円)

◆観光

・「GoToトラベル」事業終了後の反動対策として北陸3県民を対象に1泊あたり(1人1回、3千円以上の商品で)2千円の割引など(4億円)

・金沢港クルーズターミナルでの飲食物販イベントの開催や県民ワンナイトクルーズの実施(3千万円)

・金沢城二の丸御殿の復元整備(1億8500万円)

◆生活

・ツキノワグマの人身被害防止対策のためにドローンを活用したブナの豊凶作予測調査や捕獲隊員の養成研修など(1200万円)

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