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 イラク北部のクルド人自治区アルビルで15日夜、国際空港や隣接する米軍駐留施設の付近に複数のロケット砲攻撃があり、少なくとも駐留米軍の請負業者1人が死亡し、米兵1人を含む9人が負傷した。地元報道によると、親イラン系のシーア派武装組織「人民動員隊(PMF)」の傘下組織が「24発のロケット砲で攻撃した」と犯行声明を出した。

 イラクには現在、規模を縮小しながらも米兵約2500人が駐留している。過激派組織「イスラム国」(IS)の討伐でイラク国内での影響力を高めたPMFが米関連施設や米大使館などを狙った攻撃を繰り返してきたが、バイデン政権に移行後、大規模な攻撃は初めてとみられる。

 米国のブリンケン国務長官はイラクのカディミ首相や自治政府首相らとの電話協議で攻撃への「怒り」を表明し、事件の調査に協力する意思を伝えた。サキ大統領報道官は会見で「この(バイデン)政権では外交が優先される」と述べ、報復の可能性については慎重な姿勢を強調した。

 トランプ政権は昨年1月、首都バグダッドでイランの革命防衛隊のソレイマニ司令官とPMFのムハンディス副司令官を米軍の無人機攻撃で殺害し、イランとの間で一気に緊張が高まった。(ドバイ=伊藤喜之)