野村萬斎が見せる真骨頂 コロナ禍の「子午線の祀り」

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編集委員・藤谷浩二
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 木下順二の「子午線の祀(まつ)り」は、野村萬斎にとって特別な作品だ。「平家物語」の源平合戦の世界を宇宙から俯瞰(ふかん)し、あるいは個人の内面から凝視する、壮大なスケールで紡がれた名作戯曲。人生の折々に接してきた本作を萬斎は2017年に初演出し、人間への深い洞察と演劇的な躍動感を兼ね備えた名舞台を生みだした。コロナ禍の現在を踏まえ、再創造に臨む。

 宇野重吉が総合演出した1979年の初演には能・狂言、歌舞伎、現代演劇の才能が結集。父の万作が源義経を演じ、木下と影身(かげみ)の内侍(ないし)役の山本安英が長期の勉強会を経て創造した俳優たちによる朗唱「群読」が用いられた。「まだ中学生でしたが、父の新しい面を見たという思いと、山本安英さんの存在感が脳裏に焼きついています。群読が新鮮で、言葉の演劇という印象でしたね」

 99年、新国立劇場での6演…

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