第一白川橋梁の解体に着手 南阿蘇鉄道 新橋へかけ替え

後藤たづ子
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 【熊本】2016年の熊本地震で被災した南阿蘇鉄道の復旧工事で、最も大がかりとなる第一白川橋梁のかけ替え工事は16日、本体の解体に着手した。この日、同鉄道や工事関係者が集まり安全祈願祭も執り行われた。

 立野峡谷にかかるこの橋は1927年にできた全長約166メートル、高さ約60メートルの鋼鉄製アーチ橋。赤茶色の橋は同鉄道のシンボル的な存在で、橋からの絶景も名物だった。2015年度に土木学会の「選奨土木遺産」に認定されたが、熊本地震では動いた地面に押されて変形するなどし、同鉄道は修復を断念せざるを得なかった。かけ替えの事業費は、全体の復旧費の半分以上を占める約40億円を見込む。

 かけ替え工事は19年秋から準備にかかり、崩落斜面や基礎の補強、解体に使うケーブルクレーンの設置を進めてきた。解体は、両岸に建てた高さ35メートル以上の鉄塔間に渡したケーブルからクレーンで橋の部品をつり上げる。解体途中の橋本体もワイヤでつって支える。地震の影響で橋に生じている負荷や、下からのアクセスが困難なことを考慮し採用した工法だ。

 16日は、立野側の桁の一部がまずクレーンで引き上げられ、関係者が様子を見守った。撤去は6月までに完了見込み。来年1月から同じ工法で新橋架設にかかる。現橋と同じ構造、できるだけ類似させた外観の橋で、2022年度末の完成を予定している。

 草村大成・同鉄道社長は「1世紀にわたり、1度も事故がなく、南阿蘇地域の生活を支えてくれた橋梁を建て替えるのは断腸の思いだったが、今日、持続可能な南阿蘇鉄道という観点でスタートすることができる。事故なく工事が終わるよう全力を尽くしたい」と話した。(後藤たづ子)