高校生が考案、和菓子は恋の味 「恋つゝみ」甲子園優勝

沼田千賀子
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 石川県白山市の県立翠星(すいせい)高校の女子生徒が考案した和菓子が、「甲子園」の頂点に立った。県産イチゴ、ユズ、加賀棒茶の3種のあんを羽二重餅で包んだ、その名も「恋つゝみ」。みずみずしい感性の和菓子は地元で商品化され、早くも人気を集めている。

 同校食品科学コースの巧(たくみ)ヒカリさん(3年)と小西愛美さん(2年)が課題研究の授業で取り組んだ。全国菓子工業組合連合会(全菓連)青年部主催の「第11回全国和菓子甲子園」のテーマは「青春」だった。

 アイデアを練ろうと調べているとき、縁結びの神様として知られる白山比咩(ひめ)神社に恋文を奉納する企画を、地元観光連盟が旅行プランとして売り出していることに目をとめた。「青春と言えば恋」。ひらめいた2人は、その企画で使われている、願いをしたためた紙を赤いひもで結んだ巻物を和菓子で表現しようと決めた。

 様々な材料を試したり、硬さを変えたりして、「恋つゝみ」は完成した。恋文に書かれた文字をイメージした加賀棒茶あんを敷き、その上に、女性をイメージしたイチゴあん、男性をイメージしたユズあんを置く。それらを巻物に見立てた羽二重餅で包み、「二人が結ばれるように」との願いを込めた。3種のあんには能登産イチゴのジャム、金沢のユズの果皮、加賀棒茶の粉末を練り込んだ。

 61の作品が寄せられた昨年の和菓子甲子園は、地区予選を経て、全国11校の12作品が10月の決勝に進出。製作の様子や作品を紹介する動画、試食による審査で、「恋つゝみ」が優勝作品に選ばれた。

 全菓連青年部長で、大阪府羽曳野市に本店がある「あん庵」店主、松田明さん(51)は「ネーミングもコンセプトもいい。気負って飾り過ぎず、コンセプトをシンプルに形にしたのがよかった。羽二重餅とあんの硬さや甘さのバランスもよく、味もおいしかった」と評価した。

 白山市内の和菓子店3店が商品化に乗り出し、今月13日には市内で販売がスタート。同市平松町に本店がある「大松庵」は13、14日に「道の駅瀬女」で「恋つゝみ」を並べた。

 大松庵社長の松浦大器(ひろき)さん(42)は「3種のあんを合わせる発想やストーリー性が若者らしい」。買い求める人が次々と現れた。金沢市の会社員、関沢久子さん(52)は「アイデアがかわいらしい。若いっていいなあ」とほほえんだ。

 巧さんは「食べて幸せな気持ちになってほしい。地元の素材を使っているので、地域の活性化にもつながればうれしい」。

 3店の主な販売予定は次の通り。大松庵は本店で3月末まで▽越原甘清堂は白山比咩神社近くの特産品販売店「くろゆりの里」で3月の日曜のみ▽和乃菓ひろのは同市鶴来大国町の店舗で土日のみ、3月末まで。ケース入りで1個税込み250円。(沼田千賀子)