不要な制服、困窮家庭にリユース 自動車教習所に回収箱

谷口哲雄
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 卒業などで不要になった制服を寄贈してもらい、困窮家庭の支援に役立てようと、県内4カ所の自動車教習所に回収箱が設けられた。コロナ禍で経済的に苦しい家庭が増えており、制服の需要が高まる入学シーズンに向けて協力を呼びかけている。

 箱を設置したのは茨城、岡山両県で自動車教習所を運営するモトヤユナイテッド(岡山県倉敷市)。子どもの貧困対策で内閣府などが進める「子供の未来応援国民運動」の一環として参加している。

 教習所には卒業を控えた高校生が多く通い、制服の提供を呼びかけやすかった。同社の青山知之・運転教育事業本部長は「この事情も考慮し、地域貢献として、SDGs(持続可能な開発目標)の一つ『貧困をなくそう』に取り組むことにした」と説明する。

 県内では土浦、筑西、つくば、つくばみらい各市にある教習所に1月15日に回収箱を設けた。土浦自動車学校には「卒業したら寄贈したい」「集めた制服はどうなるのか」といった声が毎日2、3件寄せられているという。

 寄付された制服は全国約60カ所にある中古制服専門店「さくらや」に送り、査定額が同国民運動の基金を通じて子ども食堂などの支援に使われる。制服は、専門店で新品の1~3割の価格で販売されるという。

 実際に制服が持ち込まれるのは、卒業して不要となる3月以降になると見込まれる。店頭に並ぶまでには洗濯や名前の刺繡(ししゅう)を外す作業が必要で、4月の入学に間に合わせるにはあまり時間の余裕がない。「できるだけ早くご提供いただけるよう、今のうちに周知を図りたい」と青山さん。

 さくらやの1号店(高松市)を運営するサンクラッド(同)の馬場加奈子社長によると、コロナ禍で困窮家庭が増え、中古制服の問い合わせが全国で増えている。一方で外出を控えるためか制服を店舗に持ち込む人は減り、需要に応じきれないという。

 馬場さんは「制服支援は全国で約150社が参加しているが、社内のみで集めるところが多い。今回の教習所のように広く地域で募る例は珍しく、支援の拡大を期待したい」と話す。

 寄贈を受け付けているのは幼稚園から高校までの制服で、破損が著しいものやデザインが変更されたものは除く。教習所に通う生徒や家族のほか、一般の人からの寄贈も受け付ける。問い合わせは土浦自動車学校(029・841・0577)へ。(谷口哲雄)