吉川の伊藤さん、英国の水中写真国際コンで優勝 

米沢信義
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 英国の国際水中写真コンテスト「アンダーウォーター・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー2021」のポートレート(肖像)部門で、埼玉県吉川市在住の美容師伊藤亮平さん(36)が優勝した。同コンテストで日本人の優勝は初の快挙。暗闇に浮かび上がるコブダイの迫力あるショットが評価された。

 作品のタイトルは「Guardian Deity」(守護神)。伊藤さんは、日本で唯一の海底神社があることで知られる千葉県館山市沖に通い、神社周辺を縄張りとするコブダイの撮影を続けてきた。

 全長1メートルにもなり、成長するほどおでことあごのこぶが盛り上がるのがコブダイの特徴。昨年の冬、水深18メートルの海底神社付近で、大きな口を開きながらゆらりと接近してきた大物を、左斜めの角度からカメラに収めた。「何度も試行錯誤してきたが、この時はアングルも光の当て方もぴったりはまり、脳がしびれる感覚があった」と振り返る。

 もともと写真が趣味だった伊藤さんが水中撮影にのめりこんだのは、旅行でサイパン島の海中に初めてダイビングをした9年前から。「海なし県埼玉で育ったので、えらく感動してしまって」

 静岡県伊東市の水中写真家・川村圭吾さん(49)に頼み込んで弟子入りし、仕事の合間を縫って静岡県千葉県の海に潜り、撮影の腕を磨いた。

 世界のカメラマンがしのぎを削る国際水中写真コンテストには初めての出展だったが、8日に英国から優勝の知らせが届いた。同じポートレート部門で川村さんも2位に入った。日本人の同時入賞も初めてだという。

 「海外のあこがれの写真家に名を連ねることができて感激。さらに日本の海の魅力を世界に発信したい」と伊藤さんは話す。

 吉川市内で経営するヘアサロン「UMI」でも、海中の写真を飾り、客を楽しませている。(米沢信義)