「選挙不正」報道めぐり賠償請求 米システム会社が反撃

有料会員記事アメリカ大統領選2020

ニューヨーク=鵜飼啓
[PR]

 昨年11月の米大統領選をめぐり、トランプ前大統領の周辺から続いた「不正があった」との発言について、法的責任を問う動きが米国で出ている。「票を操作した」と名指しされた投票システム会社は、保守系テレビ局のFOXニュースなどを相手取り、27億ドル(約2800億円)超と巨額の賠償を求める訴訟を起こした。FOXは争う姿勢だが、既に変化も起きている。

 「地球は丸い。2足す2は4。バイデン氏とハリス氏が正副大統領に当選した。これらは事実だ」

 FOXなどに賠償を求め、4日に提訴したスマートマティック社は訴状でこう指摘した。「選挙に不正があった」と敗北を認めなかったトランプ氏の主張に根拠があるように見せかけるため、同社が悪者に仕立て上げられた、と訴えた。

 訴訟ではFOXのほか、同局の系列ビジネスチャンネルで番組を司会していたルー・ドブス氏らと、トランプ氏の顧問弁護士のジュリアーニ元ニューヨーク市長らを訴えている。ジュリアーニ氏らは選挙後、ドブス氏らの番組に繰り返し出演し、「スマートマティック社のシステムは全米で広く使われ、票数の操作が行われた」「オーナーは(米国と対立する)ベネズエラ出身で、チャベス(同国元大統領)やマドゥロ(大統領)と関係が深い」などと語った。

 これに対し、スマートマティック社は訴状で「選挙で、自社のシステムが使われたのは全米でロサンゼルス郡だけ」「米国の企業であり、社会主義や共産主義の独裁的指導者との関係はない」と反論。「票数操作はなかった」とも指摘し、FOXはジュリアーニ氏らの主張に根拠がないと知りながら、意図的に虚偽情報を流し続けたと断じた。

 FOX側は8日、「訴訟は、公共の関心事について報じるという報道機関の使命を直撃するもの」として棄却を求める書面を裁判所に提出した。「現職の大統領が選挙結果をひっくり返そうとすること自体にニュース価値がある」とし、「それを報じることは表現の自由に守られている」などともした。

 ただ、FOXが訴訟を気にし…

この記事は有料会員記事です。残り1024文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る!】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら

アメリカ大統領選2020

アメリカ大統領選2020

共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領の2候補によって争われる11月3日のアメリカ大統領選。最新の発言や取材から、両候補の動きを追います。[記事一覧へ]