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 新型コロナウイルスをめぐり、中国がアジアの途上国へのワクチン攻勢をかけている。巨大経済圏構想「一帯一路」の一環ともとれる動きに、地域大国インドは周辺国への無償提供で対抗し始めた。両大国の競争から利益の最大化をはかりたい国々の思惑もからみ、アジアのワクチン外交が熱を帯びている。

中国は、自国が開発したワクチンを途上国を中心に、53カ国へ無償援助する方針です。その国々の中にインドの友好国があり、中国の勢力圏を広げられることへの警戒感があります。記事の後半ではインドの懸念を詳報します。

 「ワクチンが必要な国を一つも取り残さず、ワクチンを待ついかなる人も忘れない」

 中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は今月17日、オンラインで開かれた国連安全保障理事会のワクチン分配をめぐる閣僚級会合でこう発言し、途上国への支援を広めていく意思を強調した。

 中国はこれまで、途上国を中心とする53の国と地域にワクチンの無償援助をする方針を表明。このうち先行して援助を始めた14カ国・地域のうち9カ国をアジア諸国が占める。周辺国から優先的に援助を進めていく姿勢だ。

 カンボジアは10日、中国から無償供与を受けたワクチン60万回分の接種を始めた。フン・セン首相はワクチンを共同調達して分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」しか使わないと明言していたが、隣国タイから帰国した出稼ぎ労働者の間で1月に感染が相次ぐと、「緊急事態だ。もう待てない」(フン・セン氏)と、中国を頼った。

 国際的に流通する中国ワクチンは主に国営企業のシノファーム社とバイオ企業シノバック社のものだ。モデルナやファイザーのワクチンは零下数十度での保管が必要だが、中国のワクチンは通常の冷蔵庫並みの2~8度で輸送や保管ができ、設備のない途上国でも受け入れやすいのが利点だ。

 シノファームとシノバックの今年の生産量はそれぞれ10億回分に達する見通しで、国営新華社通信は「中国の強大な生産力は、世界のワクチン不足を緩和するだろう」と伝えた。

インド 中国の勢力拡大に対抗措置

 中国が先行提供する9カ国には…

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