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 「ロビンフッダー」と呼ばれる若手個人投資家らの存在が、米国で議論を呼んでいる。初心者でも気軽に始められる投資アプリを使い、従来の投資家とは違った論理で行動することで、株式市場に影響を及ぼすまでになっているからだ。投資家の裾野が広がった一方で、市場をゆがめかねないとして規制を求める声も上がっている。彼らはどんな存在なのか。野村総研のエグゼクティブ・エコノミスト、木内登英氏に聞いた。

 ――「ロビンフッダー」とはどういう人たちですか。

 米の投資アプリ「ロビンフッド」の利用者を指します。アプリ自体は数年前からありましたが、一気に知名度が上がったのは昨年の新型コロナウイルスの感染拡大以降です。外出ができなくなり時間をもてあました若者が、ゲーム感覚で投資を始めました。「巣ごもり消費」のひとつで、アプリのダウンロード数が急増しました。ただ、頻繁に取引をする「デイトレーダー」的な人は一部だとみられています。

 ――ロビンフッドにはどんな特徴がありますか。

 米国の社会保障番号など身分証明の情報と金融口座があれば簡単に始められ、何回取引をしても売買手数料は無料です。数ドルから投資できるので、元手が少なくても参加しやすく、利用者は大学生が多いと聞きます。

 ロビンフッドというアプリの名前は、金持ちから奪った富を貧民に分け与えたという英国の伝説上の義賊にちなんでいます。誰もが投資に参加できるようにするサービスによって「金融の民主化」を目指すとしています。

 ――初心者でも利用できるのですか。

 私もロビンフッドを少し触ったことがありますが、操作は簡単です。投資判断の材料は株の値動きのチャートが中心でシンプルです。株式市場にまつわる最近のニュースや簡単な調査リポートもありますが、大手証券会社なら提供するような、企業の財務状況などを示すファンダメンタルズや、企業を詳しく分析したリサーチペーパーはありません。つまり、表面的な情報で投資の判断をすることになります。

根底にはリーマン・ショック

 ――ロビンフッダーたちはどんな銘柄に投資しているのでしょうか。

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)を中心に、コロナ禍で成長したネットビジネスなどに投資してきました。昨年、米電気自動車最大手テスラの株が上がった際も、ロビンフッダーが押し上げたと言われ、徐々に注目を集めていました。

 ――1月には米ゲーム販売店「ゲームストップ」の株価が、ロビンフッダーなど個人投資家の集中的な買い入れによって急騰した事案が大きな話題になりました。

 赤字続きだったゲームストップの株価下落を見越し、ヘッジファンドが「空売り」と呼ばれる手法でもうけようとしていたのですが、個人投資家らが結託し、株価をつり上げて対抗したのです。結果としてヘッジファンドは巨額の損失を出しました。このあおりで株式市場全体の値動きにも影響がありました。

 ――彼らはなぜそのような投資行動に出たのですか。

 根底にあるのは、巨額の利益を…

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